
ジャコモ・プッチーニは歌曲や歌劇などの声楽作品の作曲家として広く知られていますが、彼のピアノ作品や器楽作品もイタリア近代音楽において独自の役割を果たしていたと考えます。
プッチーニのピアノ作品は少数ながら、彼の音楽的感性が凝縮された魅力的で美しい作品です。主に小品でワルツ、タンゴ、アルバムブラットなどのピアノ独奏曲が6作品ほどあります。歌劇同様、美しい旋律と豊かな和声で色彩感豊かなことが特徴で、フランスの印象派の影響も感じられ、艶やかで多彩な響きが魅力です。短い曲の中にも、歌劇的な表現力が感じられ、感情表現豊かで劇的性が凝縮されています。また、弦楽四重奏曲「菊」をピアノ編曲して、他分野の作品をピアノ作品として再構成した編曲作品もあるようです。









