古典派…イタリア音楽37

ソナタ形式や均整の取れた構造の古典派の形式美を継承しながらも、旋律の豊かさや和声の柔軟性を通じて、個人の感情やドラマを表現する傾向が重要視されていたと思われます。この形式と情緒の融合はロマン派の美学へつながる道筋と考えます。イタリア音楽やイタリア・オペラは、多くの人々にとってのエンターテインメントであると同時に、社会的機能としてのナショナリズムや人間性を描く方法ともなり、ロマン派の芸術による自己表現という哲学や価値観に通じていたと考えます。古典派のイタリア音楽は、構造の美しさの中に感情を織り込み、音楽が心に響き、共鳴・共感するものへと進化するための基盤を築いたと思われます。

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