私はよくテノールの理想的な声について考えています。
声楽の声種には、大まかに言うとソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バスといった6種類の声が存在します。ソプラノ、メゾソプラノ、アルトは女性の声種で、テノール、バリトン、バスは男性の声種です。その中でも声楽の花といわれるのが男性の高い声のパートのテノールなのです。
その声は声楽史上のいくつかの時代においては、強烈な感動とセンセーショナルな熱狂を呼び起こす響きでした。テノールは男声の中で最も高く、またその高音においては、想像力豊かに黄金のトランペットから雷の稲妻まで思わせるような波動と強烈な幻想、そして輝きを獲得しました。それは愛を歌うのに適した声で、響きと輝きは時に牧歌を、時には引き裂かれた苦悩を喚起するもので、直接的な官能を引き起こすものです。テノールの美しい声は、その響きである時期は反乱のざわめき、市民の闘争、自由奪還の欲求、愛国心などを刺激し、男性のファンタジーをかきたてるもので、常に若さと理想を語る歌声です。
しかし、1600、1700年代のテノールは、このような高い地位ではなく、カストラートやプリマドンナたちの存在におされ、それほど目立った地位ではありませんでした。
その中で、多くのテノールによって、輝かしい地位を決定的に形作っていったのです。
そのテノールの歴史は、また次回。Ciao ciao!!😃😉😊!!✨✨✨✨🎶🎶🎶🎶