
ロッシーニ・クレシェンドは作曲家ジョアキーノ・ロッシーニが得意とした独自の手法で、音楽を活気づけ、盛り立てる技法のことです。シンプルな音量の増加ではなく、構造的や劇的な効果を狙った、ロッシーニの特有の手法として音楽の様式史に刻まれています。
ロッシーニ・クレシェンドの基本的な構造は同じリズムや同じ和声進行の反復をして、各反復ごとに楽器が少しずつ増やし、そして、音量が段階的に増していきます。最後にカデンツァや強奏で一気に電光石火のごとく頂点に達する仕組みです。これらの要素が組み合わさって段階的な高揚感や陶酔感が生まれます。つまり、同じ形式を繰り返しながら、編成と音量を積み上げていくことで、聴衆の期待をかけ続けるという構造的なクレシェンドです。「セビリアの理髪師」など様々な彼の歌劇の序曲で頻繁に使われ、彼の代名詞と考えられています。









