
ステファーノ・ドナウディは、イタリア音楽史において重要で独自の位置を占め、特に歌曲の分野でその才能を発揮した作曲家と考えます。
ドナウディはロマン派の情感豊かで情緒あふれる旋律と、古典派の形式美と表現様式が持つ美しさを融合させた作品を多く残しており、弟アルベルト・ドナウディの詩による歌曲集で代表作の「古典様式による36のアリア」はイタリア歌曲の中でも大変人気があります。イタリア音楽におけるロマン派様式と古典派様式の融合を実現したかけがえのない作曲家の1人と思います。
彼の歌曲は、声楽家とってイタリア声楽作品の重要な演奏曲目であり、レパートリーとして定着し頻繁に演奏されています。これらの作品は、歌曲の芸術性を高め、音楽家の教育にも用いられ、イタリア歌曲の美しさを伝える作品としても重要であると考えられます。