前回は、超一流のピアノニストと指揮者という側面について書きました。
今回は、声楽教師という側面についてです。
これは非常に難しいことです。なぜならピアニストは実際に歌っていないので、それで声楽のことを知るのは至難の業です。ただ歌っていないので歌手たちよりもより客観的に冷静に歌唱法について意見を持てるのです。そして、その優れた洞察力で見抜いた声楽的な所見を音楽的な助言と合わせて歌手に指示していくのです。
この優れた洞察力を鍛えるためには、多くの優れた歌手たちのもとでピアノ伴奏者として直向きに経験を積まなくてはなりません。その歌手が何を考え、起こった問題のある事象をどのように解決したのかなどを注意深く観察し、また、歌手たちに様々な助言をもらい、声楽の仕組みに対して鋭敏になっていくのです。
非常に辛抱強さが必要です。
それでは、続きはまた次回。Ciao ciao!!