ラ・ボエーム ~プッチーニとレオンカヴァッロ~

ジャコモ・プッチーニとルッジェーロ・レオンカヴァッロは、19世紀末から20世紀初頭のイタリア歌劇界を代表する作曲家です。
両者は同じ題材で歌劇「ラ・ボエーム」を作曲しています。プッチーニは1896年に「ラ・ボエーム」を初演し、世界的な成功を収めました。一方、レオンカヴァッロも同じ原作を使い、1897年に「ラ・ボエーム」を発表しましたが、プッチーニ版ほどの人気は得られなかったようです。この出来事は「ラ・ボエーム」をめぐる競合として語り継がれています。
また、両者ともに文学的素養、音楽や芸術に対する強い美意識や信念、価値観を持っていたため、創作の方向性においても競合する部分があったと考えます。
プッチーニの音楽様式は感傷的で叙情的な劇で、旋律を重視し、繊細な心理描写の表現を得意としていました。台本は専門の台本作家と協力していました。代表作は「ラ・ボエーム」、「トスカ」、「蝶々夫人」です。
レオンカヴァッロの音楽様式は写実主義で、劇的で直接的な感情表現を得意としていました。また台本は自作することが多かったようです。代表作は「道化師」です。

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