近代…イタリア音楽18

オットリーノ・レスピーギの音楽技法は、色彩豊かな管弦楽法と古典様式の再構築を中心に、イタリア、ロシア、フランスの伝統を統合させた独自の様式であると思われます。彼の作品は絵画を耳から感じているようで、緻密な情景描写に優れていると感じます。
管弦楽法の特徴として、サンクトペテルブルク滞在中に少しの間、リムスキー・コルサコフから直接指導を受けたことにより、緻密で非常に整っている管弦楽法の技法を習得しました。金管楽器や打楽器の効果的な使用、音色の重ね方、動的な音響構造などに、リムスキー・コルサコフの影響があるのかもしれません。
各々の楽器の音色を画材のように取り扱い、それぞれの局面を異なる音響空間で構築していると考えられます。色彩感覚と音響設計により、音で風景を描写していると想像します。
同時に異なる調性を重ねる複調や、印象主義的な拡張和声を巧みに使用し、幻想的かつ緊張感のある響きを生み出していると考えます。

関連記事

PAGE TOP