著名で聡明な声楽教師が書いた昔の声楽の理論書を読んでいると、その当時の音楽家が置かれていた一部の悪い環境や状況についても書かれています。音楽家が自分自身の健康ともに大切な技術と能力を守るためからだと思います…。
音楽家の誠実な労働に対して、無知で図々しい無遠慮な節約家たちは口で感謝するだけで、無賃で、報酬なしで音楽を聴こうとする…このような野蛮で横暴なことには対応する必要はないのです。そして仕事の依頼の中身を見定めて、その出され方の違いも知り、丁重に断る方法もしくは快く引き受ける術もわきまえることが肝要であると述べられています。
確かに労働には正当な的確な報酬・対価は必要だなと思います。いつの時代もさもしい根性の卑しき吝嗇家がいるのだなと思う今日此の頃です。