テノールの歴史5

16世紀末期から17世紀初めにかけてのテノールの中で非常に優れていたと考えられているのはヤコポ・ペーリです。
ヤコポ・ペーリは1561年にローマで生まれ、1633年にフィレンツェで没しています。彼はフィレンツェの貴族の家柄で、音楽をメディチ家の宮廷礼拝堂のマエストロであったクリストフォロ・マルヴェッツィのもとで学びました。
ペーリついて、作曲家のマルコ・ダ・ガリアーニが「彼こそが音楽に優美さを与え、聴く者を涙させるも、陽気させるも、彼の望みのままに詩の持っている様々な効果を演出することができる」という記述を残しています。詩の持っている様々な効果を演出するという部分からヤコポ・ペーリがベル・カント唱法の基礎を作り上げたと推測することが可能です。なぜなら、ベル・カン唱法の神髄は言語にあるからです。言葉のアクセント、抑揚、フレージング、言葉の意味から生まれる言葉の発音など言語を中心に考えた歌い方がベル・カント唱法です。そして、言葉を根幹に据えることで、音楽に優美さ、優雅さ、愛らしさといった表情が生まれるのです。
私はテノールという声種がベル・カント唱法を作り上げ、体現し続けていると感じています。だから、声楽の花形と言われるのでしょう。
それでは、また次回!!

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