19世紀前半時代、ピアノが楽器としての性能をほぼ完成したことにより、多くのピアノの名手が現れました。そして、ピアノ小品などの作品も多く書かれるようになりました。
その中でシューマン(1810-1856)が独特な世界観のピアノ作品を数多く残しています。
彼は最初ピアニストになるつもりでしたが、彼が20歳頃、無理な練習で指を痛めてしまったので、その時点で作曲家に転向することになりました。文学青年であったシューマンは、自身の文学的イメージ、思索を音楽で表現するため、独自のスタイルのピアノ作品を作曲していきました。シューマンの音楽は夢幻的で様々なメロディーが入りくみ、極めて個人的な美意識から作り上げられていました。そして、聴衆が彼の音楽をより明確に理解するために、文学的標題を作品を付けました。
また、多くの歌曲作品も書いています。シューマンはシューベルトの道を受け継ぐような形で作品を作曲していますが、シューベルトと違って、ピアノ伴奏を単なる伴奏の役割とせず、歌唱旋律とともにその作品の世界と作り上げていく重要な役割を与えました。
シューマンは完全なロマン主義音楽を体現した作曲家と考えられます。
それではまた次回、ciao ciao!!
ミニ音楽史38!!!

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