ミニ音楽史36!!!

個人的な世界を表現しようとしたロマン主義音楽時代において、それを最も端的に表現できる音楽スタイルが生まれました。それは標題音楽です。
その標題音楽の代表的な作品は、ベルリオーズが1830年に書いた5楽章からなる「幻想交響曲」です。この作品は、冒頭にその曲が表そうとした音楽内容が説明され、それぞれの楽章に「愛、情熱」、「舞踏会」、「野原の情景」、「刑場の行進」、「悪魔の祝日の夜の夢」という標題がつけられています。つまり、作曲者が聴く側に、この曲を聴くときには標題をもとに音楽を鑑賞するように要求をしているのです。標題音楽の魅力は音楽を言葉によって説明することで、作曲家が描こうとした世界をより明確に聴取してもらえることです。そして、この音楽スタイルは、自然の風景を見たり、文学作品を読んだりした時の感情など、作曲家自身がイメージしたどんなことでも表現ができたのです。
ベルリオーズは“固定楽想”という手法を用いて、標題音楽の鑑賞をより効果的にしました。この固定楽想とは、音楽の説明中の具体的な思想・人物・物事を表すメロディーなどです。これにより、その思想・人物・物事が関係する部分には一定の固定楽想が出てくるので、聴く側は音楽の進行中により正確な手がかりをつかむことができるようになりました。この固定楽想の手法が、のちのワーグナーのライトモチーフという方法につながっていくのです。
それでは、また次回。Ciao ciao!!

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