ドイツ・リートの世界を確立したシューベルト(1797-1828)についてお話しします。
シューベルトは礼拝堂の合唱隊員として音楽教育を受けましたが、変声期になると合唱隊員もやめて、そのあとは天性の才能に従って音楽作品を作曲していった音楽家です。そして、彼の31歳の生涯の中で600曲にものぼるドイツ・リート作品を作曲しました。それらの作品の中には、絶妙な転調技法によって、そこはかとなく、豊かな抒情性に満ちていている彼の音楽性が溢れています。彼の作曲スタイルは、思いついた音楽を楽譜に書き付け、それがそのまま曲になったという感じものでした。ゆえに、音楽は流れ、旋律はなだらかで美しく、特に即興的な気分を味わえるのが彼の音楽です。そして、ドイツ・リートの世界を確立した3大歌曲集「美しい水車屋の娘」、「冬の旅」、「白鳥の歌」はいつの世にも歌われ、人々の心に安らぎを与え続けています。
また、彼を中心とする友人の集いのシューベルティアーデでは、友人とよく話し、笑い、歌を歌ったり、ピアノを弾いて聞かせたりして、音楽のある生活を楽しんでいました。音楽家として決して恵まれた環境ではなかったのですが、そのことを苦ともしない楽天的な人生が、彼の音楽をどこまでも明るく、楽しいものにしたようです。
それではまた次回、ciao ciao!!
ミニ音楽史35!!!

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