西洋音楽と日本音楽では音のピッチ(音の基本となる高さ)が違います。西洋音楽の現在の平均的なピッチは442ヘルツであり、日本音楽の現在の平均的なピッチは438~440ヘルツです。山田流箏曲は438~440ヘルツに合わせて演奏します。なぜなら、このあたりのヘルツの音色はしっとりとして、穏やかな印象を与えます。特に山田流箏曲の古典曲を演奏するときには438ヘルツを使用します。古典曲の趣を表現するのにウエットな音のほうが好まれるからです。また、生田流の場合は442や443ヘルツに合わせて演奏をします。なぜなら、これらのヘルツは煌びやかで華やかな印象を与えます。生田流の場合は奏法が軽やかなので、音色も輝かしいものを求めているからです。
尺八の場合は、438ヘルツに合わせて演奏します。なぜなら理想的な音色を出したり、奏者自身も心地よく演奏できるからです。尺八が西洋音楽と一緒に演奏する場合、カリという状態で演奏します。カリというは歌口に対して顎を上に向ける、もしくは顔を上に向ける状態のことで、音のピッチを上げることができます。つまり尺八は周りの楽器の環境が変わっても、その場で対応できる楽器ということです。そういう点で声楽に似ていると感じています。声楽も周りの楽器のピッチが変われば、それに対応して歌います。非常に興味深いことですね。😄😊🎶🎶🎶🎶