音楽の演奏にとって何を一番大切にしなくてはいけないかと考えたとき、それはcantabile(カンタービレ:歌うように)だと私は思います。
音楽をされている方なら、それは当然と思われていると…、ただこれを体現するのは非常に難解なことだと感じています。どんな楽器でも、まるで自分の歌声で歌っているかのように演奏するということです。
例えば…
日本人のピアニストはとても優秀だと思います。それは、一つ一つの音の音色の多彩さ、大変俊敏な指さばき、音楽理論に裏打ちされた曲の構成…と、本当に素晴らしく感じるのです。それと同時に何か物足りないとも感じます。
イタリアである時、あるイタリア人の伴奏者で本当に指の回転はよくないし、音の音色もそれほど多彩ではないのですが、不思議にその人の弾くピアノは意外と魅力があり、また、その人のピアノ伴奏はとても歌いやすいのです。それはなぜなのだろうかと考えると、その人のピアノには常にカンタービレが溢れているのです。
なぜイタリアのオーケストラは心を高揚させるのか、それは常に彼らイタリア人の演奏家は楽器をとおして、自分たちの歌声で歌っているのだと気づかされます。
これがイタリアが「歌の国」と言われる由縁なのかと痛感します。
それでは、日本人にイタリア人のような、このカンタービレに演奏することは可能なのか…???
それについては、また次回に😊🎶🎶🎶🎶